Cinema PETHICA x Coco-de-sica Esta青山 Vol.16 開催レポート
8月27日(月)にCinema PETHICA x Coco-de-sica Esta青山 シネマペシカの第16回目を開催いたしました。
映画『イベリアの白い血』を上映。
原題 Out of My Hand
製作年 2015年
製作国 アメリカ
時間 88分
制作 ドナリ・ブラクストン/マイク・フォックス
監督 福永荘志
製作総指揮 ジョシュ・ウィック/マシュー・パーカ
脚本 福永荘志/ドナリ・ブラクストン
音楽 タイヨンダイ・ブラクストン(元BATTLES)
撮影 村上涼/オーウェン・ドノバン
編集 ユージン・イー/福永荘志
あなたの知らない“移民”の世界がここにはある。
本作は内戦の傷痕が色濃く残るリベリアで、政府公認の映画組合と共に制作された初めての映画である。後半には移民の街・NYに舞台を移し、アメリカで生きるアフリカ系移民の日常が鮮烈に描かれる。 ベルリン、カンヌが惚れた若手日本人監督と、 制作中に病死した天才カメラマンによる心魂のフィルム! ---------------------------------
今回のCinemaPETHICAは、アフリカを訪れた人、アフリカが好きな人、この映画をずっとずっと観たかった、という稀な参加者が多く集まりました。
制作に日本人が関わっていることも興味のひとつ。
日本人監督、撮影制作中にマラリアにかかって亡くなってしまった日本人カメラマン、この2人に主催の私も興味がありました。鑑賞してみると、日本人らしさ、というものは感じなかったような気がします。
移民の一人を追った映画として、国籍関係なく描かれていたと感じました。日本人というよりもアメリカ視点の方がややあったようにも思います。リベリアの映像はとても美しく描写が撮影されていました。
参加者からの感想は、
ゴム農園で働く労働者(主人公)と、最後のシーン(主人公がタクシーのタイヤ交換をする)がリンクしていることに気づいた時に、ハッとした。とても切ない気持ちになった、という意見がありました。このまま続く話なのか、、、?という雰囲気で終わる映画だったので、「え?ここで終わっちゃうの?」という肩すかしをくらった感は否めないものの、この最後のシーンの意味には皆さんほとんどの方が気づいたよう。それが監督の狙いだったのかもしれませんね。静かに終わる映画で、すぐには言葉や感想を発せないような雰囲気が残りました。
アフリカ関連のお仕事されている方からは、
白い血はゴムの樹液。リベリアのゴムが米国や世界に拡散していき、それをつくるリベリア人も米国などに拡散していく。どちらも姿形は変わっても、元は同じ。そこから先のメッセージを探りたかった。労働者に焦点を当てた撮影者が死去してから、アメリカに舞台を移し、2つの記録をつなぎ合わせて1つの作品にした、というところに解釈の幅や隙間が生まれたのかもしれないな、と思いました。しかし、それ以上のメッセージが分からないまま、です。この仕事を引退してから改めて観たら、どうなるか、またそのうち考えてみたいと思います。
という感想もいただきました。
映画は観る人によって、感じ方が自由で良いものです。各々にこの映画の深い部分を味わっていただけたらと思います。
私は、『ゴム』という材料の映画だったところにも深い意味があったと思います。世界中でゴム製品が、使っては捨てられ、使っては捨てられ、、、と繰り返されています。簡単に破棄されています製品の背景には、この映画の主人公のような移民のドラマがあるのです。身近でない移民の世界、そういう点にも今後は気づいて、どんな製品にも作ってくれる人や製品になるまでのストーリーがあることを大切に感じて暮らしていくべきなのでは?と思いました。
次回のシネマペシカはこちら
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10/5(金) 19:00~ 映画『ザ・デー・アフター・ピース』を上映、詳細は下記リンクにて。
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